第1章 総則(第1条〜第3条)
目的(第1条)
○個人番号及び法人番号を活用した
効率的な情報の管理、利用及び迅速な情報の授受
○手続の簡素化による
国民の負担の軽減
○現行個人情報保護法制の特例を定め、
個人番号その他の特定個人情報(個人番号を含む個人情報。以下同じ。)の適正な取扱いの確保
個人番号及び法人番号の利用の基本(第3条)
○行政事務の処理において、個人又は法人その他の団体に関する情報の管理を一層効率化するとともに、当該事務の対象となる者を特定する簡易な手続を設けることによって、
行政運営の効率化及び国民の利便性の向上に資すること。
○情報提供ネットワークシステムその他これに準ずる仕組みを利用して迅速かつ安全に情報の授受を行い、情報を共有することによって、社会保障制度、税制その他の行政分野における
給付と負担の適切な関係の維持に資すること。
○個人又は法人その他の団体から提出された情報については、これと
同一の内容の情報の提出を求めることを避け、国民の負担の軽減を図ること。
○個人番号を用いて収集され、又は整理された
個人情報が法令に定められた範囲を超えて利用され、又は漏えいすることがないよう、その管理の適正を確保すること。
第2章 個人番号(第4条〜第13条)
指定・通知、番号の生成(第4条、第5条)
○市町村長は、住民票コードを変換して得られる個人番号を指定し、書面により通知
○市町村長は、個人番号の生成に係る処理を地方公共団体情報システム機構に要求
○個人番号の漏えい等、一定の要件に該当した場合のみ、個人番号は変更可能
○これらの市町村の事務は、法定受託事務とする。
再委託、個人番号利用事務実施者等の責務(第7条〜第10条)
○個人番号を利用する事務等の全部又は一部の委託を受けた者は、当該事務の委託をした者の許諾を得た場合に限り、その全部又は一部の再委託が可能
○個人番号を利用する事務等を行う者は、個人番号の漏えい、滅失又は毀損の防止その他の個人番号の適切な管理のために必要な措置を講じなければならない。
○同一内容の情報が記載された書面の提出を複数の番号関係手続において重ねて求めることがないよう、相互に連携して情報の共有及びその適切な活用に努める。
提供の要求、本人確認の措置、提供の求めの制限(第11条〜第13条)
○個人番号を利用する事務等を行う者は、当該事務を処理するために必要があるときは、本人又は他の個人番号を利用する事務等を行う者に対し個人番号の提供、機構に対し個人番号、基本4情報の提供を求めることができる。
○本人から個人番号の提供を受ける場合、個人番号カードの提示を受ける等の本人確認を義務付け
○法定された場合を除き、個人番号の提供を求めることを禁止
別表第一
利用範囲(第6条)
○年金の資格取得確認、給付を受ける際に利用。
・国民年金法、厚生年金保険法による年金である給付の支給に関する事務
・国家公務員共済組合法、地方公務員等共済組合法、私立学校教職員共済法による年金である給付の支給に関する事務
・確定給付企業年金法、確定拠出年金法による給付の支給に関する事務
・独立行政法人農業者年金基金法による農業者年金事業の給付の支給に関する事務 等
○雇用保険等の資格取得・確認、給付を受ける際に利用。ハローワーク等の事務等に利用。
・雇用保険法による失業等給付の支給、雇用安定事業、能力開発事業の実施に関する事務
・労働者災害補償保険法による保険給付の支給、社会復帰促進等事業の実施に関する事務 等
○医療保険等の保険料徴収等の医療保険者における手続、福祉分野の給付、生活保護の実施等低所得者対策の事務等に利用。
・児童扶養手当法による児童扶養手当の支給に関する事務
・母子及び寡婦福祉法による資金の貸付け、母子家庭自立支援給付金の支給に関する事務
・障害者自立支援法による自立支援給付の支給に関する事務
・特別児童扶養手当法による特別児童扶養手当等の支給に関する事務
・生活保護法による保護の決定、実施に関する事務
・介護保険法による保険給付の支給、保険料の徴収に関する事務
・健康保険法、船員保険法、国民健康保険法、高齢者の医療の確保に関する法律による保険 給付の支給、 保険料の徴収に関する事務
・独立行政法人日本学生支援機構法による学資の貸与に関する事務
・公営住宅法による公営住宅、改良住宅の管理に関する事務 等
○国民が税務当局に提出する確定申告書、届出書、調書等に記載。当局の内部事務等に利用。
○被災者生活再建支援金の支給に関する事務その他地方公共団体の条例で定める事務等に利用。
第3章 特定個人情報の保護等(第14条〜第30条)
特定個人情報ファイルの作成の制限、特定個人情報保護評価等(第14条〜第18条)
○個人番号情報保護委員会は、特定個人情報を適切に管理するために講ずべき措置を定めた指針を作成公表
○行政機関の長等は、特定個人情報の漏えいその他の事態の発生の危険性及び影響に関する評価(以下「特定個人情報保護評価」という。)を実施
○マイナンバー法の規定によるものを除き、特定個人情報の収集・保管、特定個人情報ファイルの作成を禁止
○情報提供ネットワークシステムを使用して行う場合などを除き、特定個人情報の提供を禁止
情報提供ネットワークシステムによる特定個人情報の提供(第19条〜第23条)
○情報提供ネットワークシステムを使用して特定個人情報の提供を求められた場合、当該特定個人情報の提供義務あり
○情報提供の記録は情報提供ネットワークシステムに保存
○情報提供ネットワークシステムの運営に関する事務に従事する者には秘密保持義務あり
個人情報保護法等の特例(第24条〜第30条)
○情報提供ネットワークシステム上の情報提供の記録について、マイ・ポータル又はその他の方法により開示
○任意代理人による特定個人情報の開示請求等が可能
○本人同意があっても特定個人情報の第三者への目的外提供は原則禁止
○地方公共団体等は、特定個人情報の適正な取扱いの確認のための必要な措置を講ずる。
第4章 個人番号情報保護委員会(第31条〜第51条)
設置、所掌事務(第31条〜第34条)
○内閣府設置法第49条第3項の規定に基づく、いわゆる三条委員会として設置
○所掌事務
・特定個人情報の取扱いに関する監視又は監督
・特定個人情報保護評価に関すること など
組織、任期等(第35条〜第51条)
○組織・任期等
・委員長及び6人の委員をもって組織。任期は5年。(委員のうち3人は、非常勤)
・委員長及び委員は、両議院の同意を得て、内閣総理大臣が任命
・委員は、個人情報の保護に関する学識経験者、情報処理技術に関する学識経験者、
社会保障制度や税制に関する学識経験者、民間企業の実務経験を有する者、地方公
共団体の全国的連合組織の推薦する者等で構成
・委員長、委員、職員等の守秘義務、給与、政治運動等の禁止等を規定
○業務
・委員会は指導、助言、勧告、命令、報告及び立入検査の実施権限、委員会規則の制
定権あり
・委員会は内閣総理大臣に対し、特定個人情報の保護に関する施策の改善についての
意見を述べることができる
・委員会は毎年国会に処理状況を報告し、公表
第5章 法人番号(第52条〜第55条)
○国税庁長官は法人番号を指定、通知。法人等の名称、所在地等と併せて法人番号を公表。ただし、人格のない社団等の所在地等の公表は予め同意のあるものに限る。
○国税庁長官は法人番号の指定を行うために、法務大臣に商業登記法による会社法人等番号その他の登記簿に記録された事項の提供を求めることができる。
○行政機関の長等は、特定法人情報の授受の際、法人番号を通知して行う。
○法人番号については、利用範囲の制限等がなく、民間でも自由に利用できる。
第6章 個人番号カード(第56条)
○市町村長は、申請により、個人番号カード(氏名、住所、生年月日、個人番号、顔写真等を記載)を交付しなければならない。
○カード記載事項に変更があったときは、その変更があった日から14日以内に、その旨をその者が記録されている住民基本台帳を備える市町村の長に届け出るとともに、当該個人番号カードを提出しなければならない。
○個人番号カードの交付を受けている者は、個人番号カードを紛失したときは、直ちに、その旨を住所地市町村長に届け出なければならない。
○上記の市町村の事務は、法定受託事務とする。
○市町村の機関は、条例で定めるところにより、個人番号カードを利用することができる。
第8章 罰則(第62条〜第72条)
個人番号を利用する者に関する罰則(第62条〜第64条、第66条)
○正当な理由なく、特定個人情報ファイルを提供(個人番号利用事務等に従事する者等)
⇒
4年以下の懲役若しくは200万円以下の罰金又は併科
○不正な利益を図る目的で、個人番号を提供又は盗用(個人番号利用事務等に従事する者等)
⇒
3年以下の懲役若しくは150万円以下の罰金又は併科
○情報提供ネットワークシステムに関する秘密の漏えい又は盗用(情報提供ネットワークシステムの事務に従事する者)
⇒
3年以下の懲役若しくは150万円以下の罰金又は併科
○特定個人情報が記録された文書等を収集(国の機関等の職員)
⇒
2年以下の懲役又は100万円以下の罰金
個人番号等を不正に取得する行為等に対する罰則(第65条、第70条)
○人を欺き、人に暴行を加え、人を脅迫し、又は、財物の窃取、施設への侵入等により個人番号を取得
⇒
3年以下の懲役又は150万円以下の罰金
○偽りその他不正の手段により個人番号カードの交付を受ける行為
⇒
6月以下の懲役又は50万円以下の罰金
個人番号情報保護委員会に関する罰則(第67条〜第69条)
○職務上知り得た秘密を漏えい又は盗用(委員会の委員など)
⇒
2年以下の懲役又は100万円以下の罰金
○委員会の命令に違反(委員会から命令を受けた者)
⇒
2年以下の懲役又は50万円以下の罰金
○委員会による検査等に際し、虚偽の報告、虚偽の資料提出をする、検査拒否等(委員会による検査の対象者)
⇒
1年以下の懲役又は50万円以下の罰金
※上記については、必要に応じて
国外犯処罰規定、両罰規定を設けている。