労働者派遣法に関する法令を確認していると、「政令」「省令」「指針」などさまざまな名称が登場します。
それぞれの語句の意味について、簡単にご紹介します。
法律 |
国会で制定した法 |
政令 |
内閣が法律の範囲内で制定した命令。閣議により決定され、主任の国務大臣が署名し、内閣総理大臣が連署して、天皇が公布する。法律の下位に位置づけられるもの |
省令 |
省庁が法律の範囲内で制定した命令。主任の行政事務について、法律または政令を施行するため、各省大臣が発する。法律の下位に位置づけられるもの |
告示 |
国や地方公共団体など公の機関が、必要な事項を一般に周知したり、法律を補完する法規としてなされるもの。国の機関の告示は、官報に掲載され、地方公共団体の告示は公報に掲載される |
指針 |
告示の一形態 |
通達 |
上級機関(例えば厚生労働省)が下級機関(例えば労働局)に対して、その機関の権限の行使について指図するための命令 |
労働者派遣法は、その施行から数度の改正を経て現行法となりました。
その変遷を簡単にご紹介します。
2018年(平成30年)12月 |
労働者派遣法改正の概要 <同一労働同一賃金> |
2018年(平成30年)9月 |
労働者派遣事業に一本化された。 |
2015年(平成27年)10月 |
労働者派遣事業は許可制に一本化されます |
期間制限のルールが変わります |
派遣元事業主に新たに課される内容 |
労働契約申込みみなし制度開始 |
2012年(平成24年)10月 |
日雇派遣の原則禁止 |
労働契約申込みみなし制度の創設 |
グループ企業派遣の規制追加 |
2004年(平成16年)3月 |
対象業務の拡大(製造業務・医療関連業務(紹介予定派遣に限る)の解禁) |
紹介予定派遣の見直し(面接解禁) |
法律名称の変更(派遣労働者の就業条件の整備等→派遣労働者の保護等) |
2003年(平成15年)3月 |
対象業務の拡大(医療業務の部分的解禁) |
派遣受入期間の延長 |
(26業務/制限撤廃、自由化業務/最長1年→3年) |
2000年(平成12年)12月 |
紹介予定派遣の解禁(面接禁止) |
1999年(平成11年)12月 |
対象業務の原則自由化(一部禁止業務を規定) |
派遣受入期間の制限(自由化業務/最長1年) |
1996年(平成8年)12月 |
対象16業務から26業務への拡大 |
1986年(昭和61年)10月 |
対象13業務から16業務への拡大 |
1986年(昭和61年)7月 |
13業務が適用対象業務として定められた |
人材派遣および人材紹介は、許可・届出を経て行う事業です。人材派遣や人材紹介のご利用にあたっては、取引会社の許可番号の有無をご確認ください。
許可申請・届出先: 厚生労働大臣
申請単位: 法人ごと
更新頻度: 初回は3年、以降は5年ごと
許可番号: 以下のとおり
<人材派遣>
項目 |
(事業種別) 本社都道府県番号-事業者個別番号 |
労働者派遣 |
(派)00-000000 |
<人材紹介>
項目 |
本社都道府県番号-事業種別-事業者個別番号 |
有料職業紹介 |
00-ユ-000000 |
無料職業紹介 |
00-ム-000000 |
*ハローワークなど
労働者派遣契約の締結において、1回に締結できる期間は業務内容によって異なり、以下のように定められています。
政令業務: 最長3年(一部例外あり)
自由化業務: 原則1年、最長3年
政令業務のうち下記業務については例外的に、1回に締結できる期間の制限がなく、何年でも締結が可能です。
政令5条3号業務(建築物清掃)
政令5条4号業務(建設設備運転等)
政令5条5号業務(駐車場管理等)
政令5条8号業務(テレマーケティングの営業)
但し、上記の例外は派遣先と派遣会社との「労働者派遣契約」に限ったものであり、派遣会社と派遣社員との「雇用契約」については、業務内容に関係なく、期間の定めのない雇用契約もしくは最長3年の雇用契約のいずれかになります。
労働者派遣契約で定める指揮命令者や派遣先責任者と、派遣社員の就業場所は以下のようにお考えください。
<指揮命令者>
指揮命令者の所在の制限などについては、特に法令上の決まりはありません。
実際に派遣社員に対して指揮命令をする立場の方を選任することになりますが、適切な指揮命令を行えるのであれば、必ずしも派遣社員と同じ場所にいなくてもかまいまねん。例えば別のオフィスにいて電話・メールなどで指揮命令をすることも可能です。
<派遣先責任者>
派遣先責任者は、派遣先の事業所ごとに選任しなければならず、また複数の事業所の派遣先責任者を兼任することはできません。なお、派遣先責任者は、派遣社員に関する就業の管理を一元的に行うという目的で選任するため、基本的には派遣社員と同じ事業所の方を選任することになります。
就業票の保管義務
派遣社員就業状況を記録した就業票は、以下のような役割を持っております。
派遣先管理台帳における記載事項の一部
(
派遣社員の就業実態の把握)
派遣元から派遣先への請求額算出の根拠労働者派遣法により、派遣先は派遣先管理台帳を作成し、当該台帳に派遣労働者ごとに、派遣労働者が就業した日、就業した日ごとの始業・就業の時刻、従事した業務の内容などを記載し、且つ記載事項を月に1回以上派遣会社に対して、通知しなければならないとされています。
従って、就業票の派遣先控えを上記1の「派遣先管理台帳」における「派遣労働者が就業した日、就業した日ごとの始業・就業の時刻」などの記載と位置づけている場合は、3年間の保存義務があります。
派遣社員の就業状況を記録した就業票は、以下のような役割を持っております。
- 派遣先管理台帳における記載事項の一部
- (派遣社員の就業実態の把握)
- 派遣元から派遣先への請求額算出の根拠
労働者派遣法により、派遣先は派遣先管理台帳を作成し、当該台帳に派遣労働者ごとに、派遣労働者が就業した日、就業た日ごとの始業・就業の時刻、従事した業務の内容などを記載し、且つ記載事項を月に1回以上派遣会社に対して、通知しなければならないとされています。
従って、就業票の派遣先控えを上記1の「派遣先管理台帳」における「派遣労働者が就業した日、就業した日ごとの始業・就業の時刻」などの記載と位置づけている場合は、3年間の保存義務があります。
男女雇用機会均等法により、事業主は、職場において行われる性的な言動に起因して、雇用する労働者が労働条件につき不利益を受け、又は当該性的な言動により当該労働者の就業環境が害されることのないよう、当該労働者からの相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備その他の雇用管理上必要な措置を講じなければならないとされています。
また、雇用する女性労働者が妊娠したこと、出産したことなどを理由として、当該女性労働者に対して解雇その他不利益な取り扱いをしてはならないことや、妊娠中および出産後の健康管理に関して必要な措置を講じなければならないことが義務付けられています。
本来、男女雇用機会均等法は雇用主と雇用されている労働者との間の法律ですが、派遣社員の場合はその就業形態の特殊性から、派遣先もまた派遣社員を雇用する事業主とみなされ、男女雇用機会均等法の規定(第9条第3項、第11条第1項、第12条及び第13条第1項)が適用されます。
従って、派遣先は派遣社員に対して、男女雇用機会均等法の規定に則った対応をしなければなりません。
雇用契約期間が30 日以内の短期派遣が原則禁止されます。ただし、例外として認められる「業務」、または「条件」(労働者)があります。
例外として認められる業務は、専門知識や経験を有するとして法律で定められた職種です。
したがって、試験監督・催事のヘルプ・販売・書類整理・軽作業などは例外職種に該当しません。
これらの業務は、下記【2】の「条件」を満たす場合のみ派遣就業が認められます。
【1】 例外として認められる「業務」
以下の業務は例外として30日以内の短期派遣が認められます。
ソフトウェア開発 |
機械設計 |
事務機器操作 |
通訳・翻訳・速記 |
秘書 |
ファイリング |
市場調査 |
財務 |
受付・案内 |
デモンストレーション |
添乗 |
貿易(取引文書作成) |
研究開発 |
事業企画立案 |
制作・編集 |
広告デザイン |
OAインストラクション |
金融商品営業 |
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【 2】例外として認められる「条件」(労働者)
いわゆる自由化業務(試験監督・催事ヘルプ・販売・書類整理・軽作業など)は原則禁止されます。ただし、以下のいずれかに該当する場合には、制限なく派遣就業が認められます。
※仕事への応募(エントリー)や、登録・来社手続き案内(持ち物等)にご留意ください。
① 60 歳以上
② 昼間学生(学校教育法の学校<専修・各種学校含む>または生徒
※雇用保険法の適用を受けない学生(定時制・休学中などは除く)
③ 世帯の年間収入の額が500 万円以上
※主たる生計者ではない:ご自身の世帯収入の50% 未満
④ 本業の年間収入が500 万円以上あり、副業として就業する者
注)離職後1年以内に直接雇用されていた企業での派遣就業はできません
日数や雇用形態(正社員、パート)に関わらず、1年以内に直接雇用されていた企業での派遣就業はできません。(派遣は含みません)
就業決定後に派遣先企業より確認に必要な個人情報を求められた場合は、法令の遵守に必要な範囲で情報を提供いたします。1年以内に直接雇用されていたことが判明した場合には、派遣就業ができなくなりますので、ご注意願います。
※お仕事紹介時に派遣先企業での1年以内の就業実績を確認させていただきます。
平成27年の労働者派遣法の改正から、平成30年9月30日で3年が経過します。
この改正は、派遣で働く皆様のキャリアアップと雇用の安定を図るためのもので、改正から3年を迎え、該当する方には新たな制度が適用されることになります。
施行日以後、一般労働者派遣事業(許可制)/特定労働者派遣事業(届出制)の区別は廃止され、すべての労働者派遣事業が許可制となります。
※新たな許可基準については、省令や業務取扱要領等で規定されます。
・施行日時点で特定労働者派遣事業を営んでいる方は、引き続き、3年間は「その事業の派遣労働者が常時雇用される労働者のみである事業」を営むことが可能です。
経過措置
・施行日前にした許可・更新申請で、施行日時点でまだ決定がなされていないものは、新法に基づく申請として扱われます。
配慮措置
・小規模事業主に対しては、新たな許可の申請に当たって、一定の配慮措置が設けられます。
新たな許可基準(下線部分が、新たに追加されたもの)
○専ら労働者派遣の役務を特定の者に提供することを目的として行われるものでないこと
○ 派遣労働者に係る雇用管理を適正に行うに足りる能力を有するものとして次に掲げる基準に適合するものであること
・ 派遣労働者のキャリア形成支援制度を有すること
・ 教育訓練等の情報を管理した資料を労働契約終了後3年間は保存していること・ 無期雇用派遣労働者を労働者派遣契約の終了のみを理由として解雇できる旨の規定がないこと。
また、有期雇用派遣労働者についても、労働者派遣契約の終了時に労働契約が存続している派遣労働者については、労働者派遣契約の終了のみを理由として解雇できる旨の規定がないこと
・ 労働契約期間内に労働者派遣契約が終了した派遣労働者について、次の派遣先を見つけられない等、使用者の責に帰すべき事由により休業させた場合には、労働基準法第26
条に基づく手当を支払う旨の規 定があること
・ 派遣労働者に対して、労働安全衛生法第59 条に基づき実施が義務付けられている安全衛生教育の実施体制を整備していること
・ 雇用安定措置の義務を免れることを目的とした行為を行っており、都道府県労働局から指導され、それを是正していない者ではないこと
○ 個人情報を適正に管理し、派遣労働者等の秘密を守るために必要な措置が講じられていること
○ 事業を的確に遂行するに足りる能力を有するものであること
・ 資産の総額から負債の総額を控除した額(基準資産額)が「2,000 万円×事業所数」以上、現預金額が,「1,500 万円×事業所数」以上であること
※小規模派遣元事業主の暫定的な配慮措置
・1つの事業所のみを有し、常時雇用している派遣労働者が10 人以下である中小企業事業主
→当分の間、基準資産額:1,000 万円、現預金額:800 万円
・1つの事業所のみを有し、常時雇用している派遣労働者が5人以下である中小企業事業主
→平成30 年9月29 日までの間、基準資産額:500 万円、現預金額:400 万円
・ 事業所の面積がおおむね20 ㎡以上であること 等
現在の期間制限(いわゆる26業務以外の業務に対する労働者派遣について、 同じ事業所で3年を超えて働くことは、基本的にできません。一定の手続を経れば、3年を超えて働くことはできますが、異なる「課」などへ異動することが必要です
【対象】 平成27年9月30日以降に労働者派遣契約を締結・更新した派遣労働者
【内容】 すべての業務において、①事業所単位、かつ➁個人単位の期間制限を適用
※ ただし、「派遣元で無期雇用されている派遣労働者」や「60歳以上の派遣労働者」などは、期間制限の対象外です。
① 派遣先の 「事業所単位」 の期間制限
同一の派遣先の事業所において、派遣可能期間(派遣先で新たな労働者派遣を受け入れてから3年)を超えて派遣就業することはできません。
※ ただし、派遣先が派遣先の事業所の過半数労働組合等から意見を聴いた上で、3年を限度として派遣可能期間が延長される場合があります。
➁ 派遣労働者の 「個人単位」 の期間制限
上記①の※によって派遣先の「事業所単位」の派遣可能期間が延長された場合でも、派遣先の事業所における同一の組織単位(いわゆる「課」などを想定)で、3年を超えて派遣就業することはできません。
① 派遣先事業所単位の期間制限
同一の派遣先の事業所に対し、派遣できる期間は、原則、3年が限度となります。
派遣先が3年を超えて受け入れようとする場合は、派遣先の過半数労働組合等からの 意見を聴く必要があります(1回の意見聴取で延長できる期間は3年まで)
② 派遣労働者個人単位の期間制限
同一の派遣労働者を、派遣先の事業所における同一の組織単位(※)に対し 派遣できる期間は、原則、3年が限度となります。
※ いわゆる「課」などを想定しています。
○以下の方は、例外として期間制限の対象外となります。
・派遣元で無期雇用されている派遣労働者 ・60歳以上の派遣労働者 など
雇用安定措置の実施
派遣元は、同一の組織単位に継続して3年間派遣される見込みがある方に対し、派遣終了後の雇用を継続させる措置(雇用安定措置)を講じる義務があります。
(1年以上3年未満の見込みの方については、努力義務がかかります。)
雇用安定措置
① 派遣先への直接雇用の依頼
② 新たな派遣先の提供(合理的なものに限る)
③ 派遣元での(派遣労働者以外としての)無期雇用
④ その他安定した雇用の継続を図るための措置
※雇用を維持したままの教育訓練、紹介予定派遣等、省令で定めるもの 雇用安定措置として①を講じた場合で、直接雇用に至らなかった場合は、別途②~④の措置を講じる必要があります。
雇用安定措置の実施
キャリア形成支援制度
1 派遣労働者のキャリア形成を念頭に置いた段階的かつ体系的な教育訓練の実施計画を定めていること。
○ 教育訓練計画の内容
① 実施する教育訓練がその雇用する全ての派遣労働者を対象としたものであること。
② 実施する教育訓練が有給かつ無償で行われるものであること。(4の時間数に留意)
③ 実施する教育訓練が派遣労働者のキャリアアップに資する内容のものであること。
(キャリアアップに資すると考える理由については、提出する計画に記載が必要)
④ 派遣労働者として雇用するに当たり実施する教育訓練(入職時の教育訓練)が含まれ たものであること。
⑤ 無期雇用派遣労働者に対して実施する教育訓練は、長期的なキャリア形成を念頭に置いた内容のものであること。
2 キャリア・コンサルティングの相談窓口を設置していること。
① 相談窓口には、担当者(キャリア・コンサルティングの知見を有する者)が配置されていること。
② 相談窓口は、雇用する全ての派遣労働者が利用できること。
③ 希望する全ての派遣労働者がキャリア・コンサルティングを受けられること。
3 キャリア形成を念頭に置いた派遣先の提供を行う手続が規定されていること。
・ 派遣労働者のキャリア形成を念頭に置いた派遣先の提供のための事務手引、マニュアル 等が整備されていること。
4 教育訓練の時期・頻度・時間数等
① 派遣労働者全員に対して入職時の教育訓練は必須であること。キャリアの節目などの一定の期間ごとにキャリアパスに応じた研修等が用意されていること。
② 実施時間数については、フルタイムで1年以上の雇用見込みの派遣労働者一人当たり、毎年概ね8時間以上の教育訓練の機会を提供すること。
③ 派遣元事業主は上記の教育訓練計画の実施に当たって、教育訓練を適切に受講できるように就業時間等に配慮しなければならないこと。
均衡待遇の推進
派遣元は、派遣労働者から求めがあった場合、以下の点について、派遣労働者と派遣先で同種の業務に従事する労働者の待遇の均衡を図るために考慮した内容を説明する義務があります。
① 賃金の決定
② 教育訓練の実施
③ 福利厚生の実施
派遣元管理台帳に記載する事項
派遣元管理台帳に記載する事項に、以下の項目等が追加されます。
・無期雇用派遣労働者であるか有期雇用派遣労働者であるかの別
・雇用安定措置として講じた内容
・段階的かつ体系的な教育訓練を行った日時および内容
平成27年10月1日から、労働契約申込みみなし制度が施行されます
派遣先が次に掲げる違法派遣を受け入れた場合、その時点で、派遣先が派遣労働者に対して、その派遣労働者の派遣元における労働条件と 同一の労働条件を内容とする労働契約の申込みをしたものとみなされます。
(違法派遣について、派遣先が善意無過失である場合を除きます。)
労働契約申込みみなし制度の対象となる違法派遣
①労働者派遣の禁止業務に従事させた場合
②無許可の事業主から労働者派遣を受け入れた場合
③派遣可能期間を超えて労働者派遣を受け入れた場合(※)
④いわゆる偽装請負の場合
※期間制限違反について
・新たに設けられる事業所単位・個人単位の2つの期間制限のどちらに違反した場合も、労働契約申込みみなし制度の対象となります。
・派遣元は、派遣労働者に対して就業条件などを明示する際に、期間制限違反が労働契約申込みみなし制度の対象となる旨も明示しなければなりません。
・改正法の施行日(9/30)時点ですでに行われている労働者派遣については、改正前の期間制限が適用され、制限を超えて派遣労働者を使用しようとするときは、改正前の法律の労働契約申込み義務の対象となります。(労働契約申込みみなし制度の対象とはなりません)
(1)残業時間の「罰則付き上限規制」
労働者の過労死等を防ぐため、残業時間を原則月45時間かつ年360時間以内、繁忙期であっても月100時間未満、年720時間以内にするなどの上限が設けられ、これを超えると刑事罰の適用もあります。
(2)5日間の「有給休暇取得」の義務化
年10日以上の有給休暇が発生している労働者に対しては、会社は必ず5日の有給休暇を取得させなければならない義務を負うことになります。
(3)「勤務間インターバル制度」の努力義務
疲労の蓄積を防ぐため、勤務後から次の勤務までは、少なくとも10時間、あるいは11時間といった、心身を休める時間を設けることが望ましいとされ、努力義務が設けられます。
(4)「割増賃金率」の中小企業猶予措置廃止
中小企業には適用が猶予されていた、月の残業時間が60時間を超えた場合、割増賃金の割増率を50%以上にしなければならないという制度が全ての規模の企業に適用されるようになります。
(5)「産業医」の機能を強化(事業主の労働時間把握義務含む)
従業員の健康管理に必要な情報の提供が企業に義務付けられ、その一環として事業主には客観的な方法での労働時間把握義務が課されることになります。
(6)「同一労働・同一賃金の原則」の適用
正規・非正規の不合理な格差をなくすため、判例で認められてきた「同一労働・同一賃金の原則」が法文化されます。
(7)「高度プロフェッショナル制度」の創設
年収1,075万円以上で、一定の専門知識を持った職種の労働者を対象に、本人の同意等を条件として労働時間規制や割増賃金支払の対象外とする制度が導入されます。
(8)「3ヶ月のフレックスタイム制」が可能に
最大で1ヶ月単位でしか適用できなかったフレックスタイム制が、2ヶ月単位や3ヶ月単位でも適用することができるようになります。